確定申告が要る副業、要らない副業
どうも、わしじゃよ。
独立への足掛かり、あるいは生活をより豊かにするために副業をする人は多いな。
勤めている会社によりけりじゃが、副業を全面禁止しているところはそう多くないもんじゃ。自社の就業規則を確認すれば、必ず副業に関する規定がある(ない場合制限もできないからの)。
しかしいかに副業といえど、お金を稼ぐ以上つきものなのが、納税の義務じゃ。
国民の三大義務のひとつじゃな。
そこで必要になるのが「確定申告」じゃ。
一年の総収入を「確定」し、国に「申告」するわけじゃな。
副業など、本業以外の収入が一切なけく、特別な事情(住宅ローンを組むなど)がなければ、サラリーマンは基本的に確定申告をする必要がないのはご存知の通りじゃ。
会社が代わりにやってくれるからの。
確定申告をしなければならないのは、
- < >
- ・複数の会社から「給与所得」を得ている場合 < >
- ・年間20万円以上の「事業所得」がある場合
のいずれかじゃ。
ここでの注意点は、前者には「アルバイト」も含まれることじゃな。
「アルバイト」も雇用契約に基づく労務じゃからな。自分がやっておる副業の収入が「給与所得」かどうかは、その収入に「源泉徴収」がされているかどうかでわかる。「源泉徴収」がされていれば「給与所得」、されてなければ「事業所得」じゃ。
(「給与所得」を分けて考えるのは、「給与所得」には「給与所得控除」という特別な所得控除がかかるのじゃが、それには「給与所得」の総額が必要なんじゃ。これ以上は本題からそれるから、割愛させてもらうぞ)
いずれにせよ年間20万円のボーダーを超えていれば、確定申告は必要じゃ。
「月20万円」ではないから、勘違いするでないぞ?
e-Tax
「確定申告」しないとどうなる? 副業が会社にバレる?
「確定申告」をしなければ会社にバレる……確かにバレるぞ。
バレるが、それ以前に脱税じゃ。
脱税は立派な犯罪で、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金刑じゃ。
悪質な場合は両方が課されることもあるぞ。
じゃが、人間じゃから過失は常にある。
うっかり申告を忘れていた場合は、脱税犯にされるのを恐れて申告しないより、「申告漏れ」していたと素直に申告することをお勧めするぞい。本当の脱税犯になってしまうからの。
「申告漏れ」をしたり、無申告で税務署に指摘された場合、もともと支払わねばならん税額に追加して、延滞金兼罰金として支払わなければならなくなる。これが「追徴課税」じゃ。
「追徴課税」の税率は、指摘された場合はもともと支払わねばならん税額の15~20%、自主的に申告した場合は5%で済む。
何? 「自分で気づいて申告し直したんだから「追徴課税」されるのは厳しくないか?」じゃと?
納めるべき期限内に納めるところまでが納税の義務の範疇じゃ。
それに少しは痛い目に合わねばまた忘れるかもしれんからの。
さて、会社にどうバレるかというと、脱税すれば税務署がお前さんの会社に連絡を入れ、給与を差し押さえるんじゃ。
これで「副業をしている」ことがバレた上に、「脱税(犯罪)している」というおまけまでついてくるわけじゃ。会社でのお前さんの信用にも障るじゃろうな……。
「確定申告」しても会社にバレた!?
「確定申告」をしていても会社に副業がバレる場合もあるから注意じゃ。
ポイントは「住民税」じゃな。これは「給与所得」を複数の雇用主から得ている場合に起こりやすい。
雇用主は給与支払報告書を作成して市区町村に送り、それを合算して税額の決定通知書や納付書を本業の会社に送るからじゃ。
当然本業の会社の「給与所得」から計算される住民税より多くなり、結果バレるわけじゃな。
これを回避するためには、住民税は自分で納付する必要がある。
確定申告の際に申告書(第二表)に住民税の納付方法を選ぶ欄があるので、その「自分で納付」にチェックを入れればいいだけじゃ。
(これも会社の経理の人間がよく見ればバレることじゃが、人間「予定より多く払えと言われた」場合に比べて「予定より少なく払えと言われた」場合の方がチェックが甘くなるものじゃ)
「確定申告」のしかた
「追徴課税」されないために大事なのは、いつがその期限なのか、じゃな。
これは簡単じゃ。
毎年2月16日~3月15日で固定じゃ。
曜日は関係ないが、役所があいているのは原則平日のみじゃから、そこは気を付けるようにの。
期間中は役所が込み合うため、臨時の窓口が作られる地域も増えておる。新聞やニュース、自治体のwebサイトなどをチェックしておくことじゃな。
e-Tax(国税電子申告・納税システム)という便利なものもある。
事前準備が必要じゃが、オンラインで24時間受け付け、選択肢を選んで数字を入力するだけで必要な書類が揃う便利なシステムじゃ。
そのままネット経由で申告、納税をすることもできるし、書類を打ち出して窓口に郵送・持参することもできる。
なので具体的な税額の計算方法などは説明せんよ。
控除額ひとつとっても家庭環境で違ってくるし、なにより税制自体毎年何かしら修正・変更が加えられておるからの。
まとめ ~ どうしても会社バレだけはしたくないなら ~
会社にバレたくない、というのもわからんではない。
規定で禁止されていないとしても、なんとなくズルをしているような気持になる、あるいはそういう目で見られるということはあるじゃろう。
自分で手続きをするのはミスが起きそうで不安、というのであれば、税理士に依頼する、というのも意外に現実的な選択肢じゃと覚えておくといい。
年に1度、安ければ3万くらいで依頼できるからの。
確定申告以外にも、他人の口から会社にバレることだってある。
しかし税理士なら、仕事として受けた以上どこにも漏らさないはずじゃ。あと、私見じゃが、素人が書いたものより税理士の先生が書いた申告書の方がチェックが甘くなる気もするしの。
(税理士だから嘘は書かんが人間なのでミスはあるかもしれん)
確定申告は税金を払うばかりではない。自分でも気づいていない税金の「払い過ぎ」を還付してもらうこともできるというメリットもあるんじゃ。
(脱税犯にならずに済む、というだけでも充分なメリットじゃがの)
自分にまつわるお金の流れを把握して悪いことはないので、余裕のある時期に手続きの方法をきちんと確認しておくんじゃよ。
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