売上を確実に伸ばすための5つの鉄則



1.良いセールスマンたらんとすれば、質問上手を心がけよ


良いセールスマンと言われる人たちは、自分のことばかりをペラペラとよどみなくしゃべる
ことはありません。むしろ聞き上手です。

なぜ聞き上手にならなければならないのでしょうか。
セールスマンは、質問することによって、次の7つの利益を得ることができます。

①質問によって、説得のための材料、知識を得られる。
②質問によって、顧客を知ることができ、顧客のニーズに合った情報を提供することができる
③質問することによって、時間を短縮し、効率よくセールスをすることができる
④質問することによって、関連した商品をつくることができ、売上を増やすことができる。
例えば、洋服を売ったら、それに合ったネクタイ、ワイシャツのような、関連商品の販売拡大
が可能となる
⑤積極的に相手の話を聞き、相手から話をさせることによって、相手に自分の考えをまとめさ
せることができる。
⑥積極的に拝聴する姿勢を示すことにより、顧客の満足感、重要感を増すことができる
⑦積極的に人の話しを聞いている間に、自分の考えをまとめることもできる。

2、事前準備には万全を図れ


先に、セールスは「段取り八分、実行二分」と述べました。
せっかくアポイントをとって相手先を訪問しても、準備が十分でないために、失敗してしまう
ケースも多くあります。

訪問する前に、次のような点をチェックして、準備を確実にしておきましょう。
①服装、身だしなみに自信を持てるか
②カバンの中身は万全か。アプローチブックはきちんとしているか
③訪問のたーま(主題)は決まっているか
④交通渋滞を頭にいて、十分早めに出社しているか
⑤(褒め言葉など)切り出しの言葉を考えているか
⑥商品説明のポイントはまとめておいたか
⑦反論克服のための想定問答集は準備されているか
⑧クロージング(締め切り)の要領は研究しておいたか
⑨相手の事前調査、会社のニーズ、仕事上のニーズ、個人的なニーズは
何であるかを調べたか
⑩「絶対成功するぞ!」というペップトーク(気合い)はかけたか
3、売上増大のコツは訪問回数にあり
「販売量は訪問回数に比例する」と言われています。
売上の伸びないセールスマンは、ともかく訪問回数を上げることに集中してみてください。

若いころ、私は飛込セールスマンをしたことがあります。
当時、私の場合、約30軒訪問すれば、15万円くらいの売り上げがありました。
これを単純に計算すると、60軒訪問すれば、30蔓延の売上を挙げることになるわけです。
ということは、ともかく訪問回数を増やせば増やすほど、それに比例して売り上げも
伸びることになります。それで、私もとりあえず訪問件数を増やすことに専念しました。

俗に言う夜討ち朝駆けは当然乃こと、場合によっては休日も返上して訪問するようにします
すると、だんだん売上があがっていき、自信が付きます。自信がつくと、ますますヤル気
になってくるということになります。
また、何度も訪問していると、お客様との折行も慣れてきますから、セールストークも上手
になり、それこぞ30件で15万円だったのが20万円になるというような売上増も可能になってきます

このように、まず訪問回数を多くすることを常に心がけてください。
慣れてきたら、今度は訪問回数だけでなく、より長く滞在するように心がけるのです。
お客様と5分話すよりも15分話した方が、セールス活動としては効果があります。
なぜなら、十五分話しができるということは、それだけあなたはお客さまに気に入られ
ているという証拠になるからです。嫌な人のところには、誰でも長くいたくないものです。
長く話しをしてくれるということ自体、お客さまの好意の表れと見て間違いありません。
「こんにちは、サヨナラ・・・」の御用聞きセールスではなく、お客様の話し相手に
なれればしめたものです。注文は自動的に多くなってくるはずです。

右のような観点から、できるだけ多くのお客様に会い、できるだけ多くの話しをするのが
コツです。
その再に「ザイアンスの熟知性の法則」と呼ばれるものがありますので、それを念頭に
置くとよいでしょう。
それは次のようにまとめられます。
①人は、見知らぬ人に対して攻撃的、批判的、冷淡になる。
②人は、その人を知れば知るほど(接触回数を増やすほど)好きになる傾向がある
③人は、その人の人間的側面を知ったときに好意を持つ

セールスマンとお客様の関係は、「接触頻度×滞在時間」に比例してよくなります。
分かりやすく言えば、会えば会うほど好きになるものです。
「用がなくても通え」という格言がありますが、これは事実で、私たちはしょっちゅう
会っている人を好きになる傾向があるのです。逆に、たまにしか訪問しない場合は、
どちらかというと、「最近ちっとも来ないけど、何かまずいことがあったのかな」と
否定的にみられる可能性が強いのです。
多分仕事が上手くいってないのだろうとか、あの会社の商品は売れないのではないか、
という見方をされる可能性もあります。

従って、用事が無くても、ともかく訪問すること、電話をすること、手紙を書くことが
大切なことなのです。
つまり、形はどうあれ、ともかく接触頻度を多くすることがコツです。
そして、実際に訪問した場合は、一緒に食事したり、一緒に仕事したり、ときには一緒に
遊んだりして、接触時間を長くするようにします。

◎プラスワン作戦でさらに前進せよ


売上アップを図るには、訪問回数を増やすことが大切だと言いました。
それを確認したうえで、さらに一歩前進する方法が「プラスワン作戦」です。

これは非常に単純なことです。文字通り1日の訪問件数を達成したところで、
「あともう1軒」お客様を訪問することです。

十個の注文をもらったら、あと1押し、十一個に増やしてもらえないか、それが無理なら
付属品の注文でいいから、プラスしてもらうという方法です。
同じ発想として、あと一時間長く働く、月のうちあと一日多く営業に当てる、
あと1回訪問回数を増やす、などあらゆる面でプラスワンを考えることです。
ともかく、一品でも多く、1回でも多く、1円でも多く売ることです。

私は、健康のために、ウェイトトレーニングをやていますが、その日の体調によって、
重いバーベルが上がるときと、上がらないときがあります。
例えば、80キロのバーベルが10かいしか上がらないときでも、「なんとかあと1回だけ」
というように、最後の限界まできたところで、あと1回だけプラスワン作戦をとるように
しています。
このあたりまでくると、もう殆んど精神力の問題です。なんとかこれだけは上げるぞ、
という火事場の馬鹿力を発揮するわけです。

セールスでも同じです。
断られても、あと一回だけ多く訪問しよう、日が暮れてしまったが、あと一軒だけ
アタックしよう、というように精神力でプラスワンを狙うべきです。
1日1時間多く働くだけでも1ヶ月で約20時間、1年ではなんと約250時間になります。
1日8時間労働とすれば、約30日分にもなるわけです。
売上は、訪問回数と滞在時間に比例しますから、こうすれば確実に売上が増えるはずです。

4、目標は具体的でなければいけない


目標というのは灯台です。嵐の海で迷ったときに、遠くに灯台の灯りが見えれば、
その灯りに向かって突き進んでいけますが、灯台が無ければおそらく助からないでしょう

人生においても、仕事においても、進路を示す灯台つまり目標は大事です。
例えば、東京から京都へ行こうと思って、仙台の方へ向かったのでは、
いつまで経っても京都につくことはできません。方向を間違わないように
京都という正しい目標を見定めなければなりません。

目標がはっきり決まれば、ヤル気が生まれます。
例えば、今月の売上が500蔓延という目標を持って仕事に取り組み、それが
達成されたときはどうでしょうか、達成感に加えて成功したという自信が生まれます。
自信を持てば、「よし、来月は600万円にしてみよう」という一層のチャレンジ精神も
生まれます。

しかし、目標はただの願望ではありません。
誤解している人が多いのですが、目標と願望は違うのです。
例えば、お金持ちになりたいというのはm単なる願望です。そうではなく、
毎月5万円貯金して、年間で60万円貯める。5年間で300万円、それを投資して
増やし、10年後に2000万円の財産をつくる、というのは目標になります。
あるいは、ただ英語をマスターしたい、というだけでは願望です。
誰もがそうした願望を持っていますが、これを目標に変えなければなりません。

先に述べた金持の例のように、毎朝30分早く起きてラジオの英語コースを聞き、
来年3月には英検2級に受かるぞ、というのは目標になります。

このように、目標はできるだけ具体的でなければなりませんが、
目標を持っただけでは達成できません。それを達成するための計画をつくって、
初めて実行可能な「目標」となるのです。
そして、その「計画」を「実行」し、常に「チェックしフォローする」こと、
目標達成にはこの4つが必要です。これを目標・計画・実行・フォローアップの
頭文字をとって、「モケジフォの法則」と言っています。

セールスマンの皆さんも、今年の目標、今月の目標、今週の目標、今日の酷評
というふうに、具体的な行動プランを作成する際に、注意すべき点について
お話ししましょう。
表5のようなフォーマットをもとに、目標・行動プランをつくったとします。
そして、仮にあなたの今年の販売目標を600万円に決めたとします。
これを毎月の目標にすれば、500万円の売上です。
4で割ると125万円、これが今週の目標です。週5日間働くとして、2日25万円と
なります。この1日25万円を売上げるためには、あなたは何軒訪問すべきでしょうか。
何人の人に会う必要がありますか。これは今までの実績や訪問回数などを調べれば
分かるはずです。
仮に、25万円の売上を獲得するためには、少なくとも5人の見込み客に会わなければ
ならないとします。その場合、例えば午前2人午後3人というところまで、
分けることができます。1日5人で、1週間に25人、1ヶ月に100人という計算が成り立ちます。
もちろん、社内会議や書類の整理などの内部的な仕事で、社内にいる場合もありますから、
実際はもっと多く訪問しなければならないでしょう。いずれにしろ、右のようなやり方で
訪問目標、売上目標を立て、それを行動の指針にすることが必要です。

もう1つ、目標を持つことにより、私たちは時間を有効に活用することを工夫するように
なります。
つまり、予定どおりに訪問件数を消化するためには、どうすれば社内事務を簡略にできるか、
あるいは、会議を短くできるか、など工夫せざるを得なくなるはずですから、必然的に
時間の使い方が上手になります。

◎前半主義でセールスアップ


さて、私はビジネスマンに対してセールス手法のほか、タイムマネジメント(時間管理)
を教えています。
この時間管理の仕切るで大切なものに「前半主義」というものがあります。

通常、私たちは「好楽円」の仕事をしがちです。つまり、「好きな仕事」「楽な仕事」
「円滑にできる仕事」をやりたがります。
本来、仕事というものはあ、「好楽円」に関係なく、重要なものと緊急性の高いものから
手がけるべきです。しかし、ともすれば、面倒くさいもの、手間のかかるものは、先へ先へ
と延ばしがちです。
そうではなく、重要な仕事を先にやってしまうのが、前半主義というものです。
先につらい仕事、重要な仕事をやってしまえば後が楽になります。

セールスの販売目標達成にも、この前半主義が使えます。
通常、わたしたちは仕事を進めるに当っては、締め切り間際までノンビリ仕事をして、
直前になってあわてて行動を開始する習性を持っています。
例えば、1ケ月のうち1日から20日まで比較的ノンビリしていて、21日から月末にかけて
猛然と追い込みをかけることが多いようです。
それを、10日までに50%、20日までに90%、そして25日までに100%達成するようにします。
そうすることにより、残りの5日感が予備の時間となって、プラスアルファの売上を
上げることができます。

同じように、1週間の場合でも、火曜までにその週の50%、木曜までに予定の100%を達成する
ように努力します。そうすると、金曜日は予備日となって、プラスアルファが稼げます。
これと全く同じ考えから、1日の午前中に大きな仕事をする必要があります。
つまり、1時間早く起き、昼食時間を1時からと決めることにします。
殆んどの仕事は、これで午前中に片付きます。

セールスは、相手のある仕事ですから、自分だけ買ってに昼食時間を1時からにすると
いうわけにはいきません。
しかし、意識的に午前中に少なくとも1日の売上の70%位を挙げるという先行性を持つことは
非常に大切です。

5、今すぐやる習慣をつける


ところで、あなた自身の人生観はどんなものでしょうか。
仕事に打ち込むには、あなた自身の本当の姿を知り、それをもとにして、自分自身の
絶え間ない改善を図らなければなりません。

そのためには、まず自己分析をしてみる必要があります。
①自分の誇るべき長所は何か
②自分の改善すべき短所は何か
③自分のすきなこと、将来伸ばしたい面は何か
④過去において、どのような面で成功したか
⑤過去において、どのような面で失敗したことがあるか
⑥過去の仕事を遂行する能力が自分にあるか、また、それを引き出すために
どうしたらよいか

この6つの質問について、よく考えてみてください。そして、自分自身が今どのような
立場にあり、今後どうすればよいか、考えてみましょう。
そうすることにより、自分が立てた目標達成をするために、自分ができること、
しなければならないこと、また、してはいけないことなどがはっきりわかるはずです。

その上で、自分がこれから成長するために必要な事柄を明確にしていきます。
もし、あなたが、セールスマンとして成功しようと思ったら、今の仕事をまず成功
させなければいけません。
セールスが嫌いであっては、成功することはできません。
また、いくらセールス手法の勉強をしても、それを実行しなければ成功しません。

つまり、即時実行の精神をもって、力強く前へ突き進まなければなりません。
例えば、「あなたは、便所は汚い方がよいですか、きれいな方がよいですか」と聞かれたら、
何と答えますか。当然、「もちろん便所はきれいな方がよいです」と言うでしょう
では、「便所掃除が大好きですか」と聞かれると、ほとんどの人は「正直言って
あまり好きではありません」と言います。
つまり、私たちは、
「便所はきれいな方がいい、でも、掃除はしたくない」
「売上は上げたい、でも訪問するのは面倒くさい」
「良い成績をとりたい、でも勉強はしたくない」

というふうに、矛盾した考えを持ち、行動をしているのです。

大切なのは、良いと思ったことを実行する強い信念です。
よく、「今日できることは、明日に延ばすな」と言いますが、良いと思ったことを
いますぐやる週間をつけることが成功のコツです。
「そのうちやります、いずれやります」という考え方は、大抵の場合「やらない」
ことを意味していますし、人生における失敗者のセリフです。
この小冊子は、セールスという仕事に携わるすべての人にとって、失敗者ではなく、
「すぐやるぞ」という、成功者のセリフを言ってもらうために書いたものです

0コメント

  • 1000 / 1000