新しいサービスが始まるとき

セミナー動画の配信サービス「まなつく」 はぼくにとって3つめのサービスになる。

ぼくが最初に立ち上げたサービスは「カメラをレンタルする」というものだった。

 

大手のハウスメーカーを2年半でやめてしまってどうしようか途方にくれた結果

 

「実家でとりあえず仕事をしよう」

 

という安易な気持ちで実家の仕事をすることにした。

 

実家は写真のプリントのお店をしていて、ぼくは長男という立場を最大限活用してするりと実家の仕事につくことができた。

 

父はすでに亡くなっていたので、母がお店をやっていたのだけれど生意気なことばかり言って母やお店で働いてくれている人を困らせた結果

 

「あなたは他で仕事を覚えてきなさい」

 

と放牧されることになり、隣の駅の少し大きな写真店でアルバイトをして仕事を勉強することになった。

 

ここではすごく忙しくて、仕事の大変さや楽しさを教えてもらうことができて今ではすごく感謝している。

(当時はかなり生意気だったと思います。すみません!)

 

仕事は写真のプリントの受付が大半で、フィルムを預かり、写真にしてそれを渡すというものだった。

 

最初は慣れなかったけれど、次第に余裕が出てくるようになるとお客さんと少しづつ話ができるようになったいった。

 

写真と撮る理由を聞くのは楽しかった。なんでかっていうと、人はたいてい楽しい時に写真を撮るからだ。

だから、楽しいことの話をしている人と話ができるのが楽しかった。

 

ふだんは人見知りというか、積極的に人と話すようなタイプじゃなくてどちらかというと一人でいることが多かったけれど、不思議とお店では話をすることができた。

 

そしてお店で話をするということは同時にチャンスでもある。会話の中からその人に必要なものをうまく見つけることができれば、例えばフィルムやカメラやレンズを提案して売ることができる。

 

 

そんなたくさんの会話の中の一つにこんなのがあった。

あるおばちゃんが

「今度子供と一緒に海外旅行にいけることになったんだけど、前のカメラが壊れちゃったから」

と嬉しそうに3万円くらいのコンパクトカメラを買ってくれた。

 

「そうなんですか。楽しみですね!」と答えると

 

「でもたぶん、また旅行にいけるかわからないから、今回だけしか使わないかもしれないわね」

とちょっと残念そうに言って帰っていった。

 

3万円も出してカメラを買って、たった1回しか使わないなんてもったいないなー

 

とちょっと思ったぼくは

 

その後も同じようなお客さんがいることに気づくようになった。

 

運動会今年で最後なんだけど

結婚式で撮りたいから

今回の旅行を残しておきたいから

 

そんな理由でカメラを使う人が多いなら「レンタルでいいんじゃないかな?」と思うようになった。

 

その上、デジタルカメラがではじめていたけれど、どんどん新しいものが出るので

せっかく買ってももっと性能がいいものが出るから、買う前にレンタルで試せても面白いと思うようになった。

 

アルバイトが終わって家に帰るとどうしたら仕事になるかなーとぼんやり考えるようになって

色々な人に相談したら全員から

 

「いやー、それは無理だねー!」


 

と言われた(笑)

 

その当時、カメラだけをレンタルしているお店なんかなかったし、

なんだかんだ無理な理由を教えてくれた。

 

ただ、幸いだったことが2つあった。

 

一つは、その当時ネットショップというものができはじめていてどうやらこれならあんまりお金をかけずにお店ができるらしい環境が整ってきていたタイミングだったこと。

 

もう一つが相談した全ての人が反対する中、母だけが「やってみなさい」と200万円を貸してくれたことだった。

 

ホームページは作るとその当時すごく高かったので、友達からhtmlを教えてもらって自分で作った。

今思えば本当に素人感丸出しだったけれど、その当時はそれでもお店として成り立っていた。

 

でも注文は全然だった。

お店を作ってもアクセスは上がらず売上は上がらなかった。

 

 

そして転機が訪れる。

きっかけはある人が「楽天市場」を教えてくれたことだった。

 

ここならもしかしてアクセスがくるのかなと思い切って申し込んでみたら、お店を作って初めての注文があった。

ページを少しみやすくして、商品を増やして行くと

 

「こんな商品はありませんか?」

 

という問い合わせがくるようになった。

そんな商品はなかったけれど、「ありますよ!」といって、それからヨドバシカメラや価格.comで買ってレンタルしていた。

 

そんな風にして少しづつレンタルの注文が入るようになっていった。

 

 

こうやって今思い返して見るとサービスが始まる時は、人と話をしている時だ。

その人が話をしてくれた問題や悩みを解決できること。

 

それがサービスになる。

 

 

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